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予防接種の基本事項

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Dr.クボタ

感染症について詳しく知りたい方は下の説明をお読み下さい
ヒブ感染症(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型感染症)による感染症です。
この菌がのどから入って、脳に感染し髄膜炎、のどの奥に感染すると喉頭蓋炎(こうとうがいえん)、肺に感染すれば肺炎を起こします。
欧米ではかかる子どもが多かったのですが、1980年代から小さな子どもにも有効なワクチンが開発され、それを全員に使用した結果、この病気が約1%に減少しました。
日本でも年間約600人が重いヒブ感染症、細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)になっていることがわかりました。日本では毎年約千人が細菌性髄膜炎になっていますが、60%がこの菌によるものです。これは、日本の予防接種制度が全体に遅れていて、ヒブワクチンが定期接種に組み込まれてなかったからです。
髄膜炎による後遺症として、発達・知能・運動障害などの他、難聴(聴力障害)が起こることがあります。
《予防方法》 Hib(ヒブ)ワクチンを接種する。
《接種対象》 生後2か月から5歳未満
《接種方法》 生後2か月から6か月までは合計4回です。7か月から11か月までは3回、1歳から4歳までは1回。
肺炎球菌という菌の名前です。
この菌はのどなどから体に入ります。子ども、特に2歳以下では、脳を包む膜にこの菌がつく細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)が多くみられます。この菌による髄膜炎は、年間200人くらい発生しています。肺炎も12,000人発生します。この他、重い中耳炎や肺炎、菌血症や敗血症も起こします。
欧米では 2000年頃から子どもにも有効な小児用肺炎球菌ワクチンが使用されて、かかる子どもが激減しています。
細菌性髄膜炎を起こすような場合でも早期診断は難しく、その後にけいれんや意識障害が始まってきます。診断がついても、抗菌薬が効かない耐性菌が多く、治療は困難です。髄膜炎による後遺症として、発達・知能・運動障害などの他、難聴(聴力障害)が起こることがあります。
ヒブによる髄膜炎に比べて、死亡と後遺症の比率が少し高くなります。亡くなる方が10%前後、後遺症率は30~40%くらいです。肺炎を起こした場合も、ウイルス性肺炎と異なって、大変重症です。中耳炎の場合でも、耐性菌が多いので、重症で治りにくくなります。
《予防方法》 小児肺炎球菌ワクチンを接種する。
《接種対象》 生後2か月から5歳未満
《接種方法》 生後2か月から6か月までは合計4回です。7か月から11か月までは3回、1歳は2回、2歳から4歳までは1回です。

基本事項 (予防接種の回数と間隔)


①3種混合(DTP)と4種混合(24年11月から)
合計4回。3~8週間の間隔で3回行い、3回目から1年~1年半後に4回目(1期の追加)を実施する。

②HIB(ヒブ)【ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型感染症】
開始月齢より接種回数が異なる。生後2ヶ月から7ヶ月未満での開始が標準。

③肺炎球菌
開始月齢より接種回数が異なる。生後2ヶ月から7ヶ月未満での開始が標準。